フルフィールド共焦点光コム顕微鏡

光周波数コムや,新機能LED,3D表示などの最新のフォトニクス技術を活用して,農業,植物学,行動動物学,生体医療などのバイオ分野との共同プロジェクトを進めています.

現在、共焦点レーザー顕微鏡は、細胞や生物組織等の立体構造を取得できるので、 生物学の分野で大きく活用されています。 しかしその弱点として、立体像を得るために幾度もの撮像が必要で、そのため時間が掛かるのが難点となっています。超解像度フルフィールド共焦点光コム顕微鏡は、 ”光のものさし”と呼ばれる光コムを光源に利用して、この撮影にかかる時間を大幅に削減しようとするものです。 光コムを利用すると、一度に数十万点の撮影が可能になります。この光をデュアル光コム分光法を用いて解析し、1ショットで対象物の構造を撮像します。
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光コムは、波長5〜10nmの中に数十万本の、非常に狭い帯域の光を含んでいます。 この光を二次元回折格子を使い波長ごとに違う場所へ誘導することで、撮影対象に対して多数の撮影点を一度に作ることができます。観察対象から帰ってきた光コムは、波長のピークとに、 観察対象の違う位置の情報を持っています。 これを解析することで、対象の構造がわかります。超解像度フルフィールド共焦点光コム顕微鏡は、例えば植物工場での利用を想定しています。植物工場では、高品質な作物を高効率で生産することが求められますが、超解像度フルフィールド共焦点光コム顕微鏡は、撮像に掛かる時間が大幅に短いという利点を活かし、手ブレに強い共焦点顕微鏡として使うことで、高度な情報を簡便に得られるツールとして大きく期待されます。